さいほう‐じょうど サイハウジャウド【西方浄土】
※宇津保(970‐999頃)吹上上「とまりてみ給へしに、いはゆるさい方じゃ
うどに生まれたるやうになん」
[語誌](1)
極楽浄土を西方とするのは「
阿彌陀経」などの所説に基づくが、奈良時代にはまだ「西方」が直ちに極楽を指すという
用法は定着していない。「
書紀‐
孝徳・白雉元年二月」では中国を指して「
西土」といっている。
(2)
平安朝に入ると「霊異記」(
八二二)に「西方極楽」〔下〕、「西方安楽国」〔下〕の例が見え、「菅家後集‐和紀処士題新泉之二絶」(
九〇三)に「西方」で極楽を指した例が見られる。「西方浄土」という表現は一一世紀以降、
浄土教の
流布に伴って一般化した。平安朝末から
中世には、
落日に向かって西方浄土を観想する日想観が流行した。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
西方浄土
仏教で阿弥陀仏の浄土。この娑婆世界から西方に十万億の仏土を隔てたかなたにあるという安楽の世界。
[使用例] 栗は西の木と書き、西方浄土の便りになるので、行基菩薩が杖に用いた、という意味のものだ[中山義秀*芭蕉庵桃青|1970]
[類語] 極楽浄土
出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報
デジタル大辞泉
「西方浄土」の意味・読み・例文・類語
さいほう‐じょうど〔サイハウジヤウド〕【西方浄土】
阿弥陀如来を教主とする西方の浄土。人間界から西方に十万億の仏土を隔てた所にあるという。極楽浄土。西方極楽。西方世界。
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