西川扇蔵(2代)(読み)にしかわ・せんぞう

朝日日本歴史人物事典 「西川扇蔵(2代)」の解説

西川扇蔵(2代)

没年:文化5.8.2?(1808.9.21)
生年:生年不詳
江戸中期の歌舞伎の振付師。初名西川千蔵。宝暦7(1757)年から江戸市村座付きの振付師となり,仮芝居桐座をふくめ寛政2(1790)年まで出勤。その間,4年間だけ森田座に出ている。長唄「鷺娘」「吉原雀」,常磐津「鞍馬獅子」「関の扉」など多くの名作を生んだ。中村座の「戻駕」も扇蔵の振り付けと伝えられている。一方,吉原の女芸者の踊りの指導にも携わり,明和2(1765)年には,長唄の地方に江戸三座囃子方を招いて大規模なお浚い会を開催。「吉原細見」によると同8年からは門下の吉原芸者による「義太夫節子供身振り」を始める。初代中村仲蔵と共に「天明ぶり」と呼ばれる豊後節の所作事を大成,舞踊西川流の基礎を確立した。没年については,天明6(1786)年3月ともいうが,これも確かではない。

(古井戸秀夫)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「西川扇蔵(2代)」の解説

西川扇蔵(2代) にしかわ-せんぞう

1718-1808 江戸時代中期の舞踊家
享保(きょうほう)3年生まれ。宗家西川流2代家元。初代の門弟から養子となり,宝暦10年千蔵から扇蔵とあらためる。江戸三座の振付師として知られ,「関の扉(と)」「戻駕(もどりかご)」などをのこした。文化5年8月2日死去。91歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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