襤褸(読み)ぼろ

精選版 日本国語大辞典 「襤褸」の意味・読み・例文・類語

ぼろ【襤褸】

〘名〙
① 着古して破れている衣服ぼろぎもの。
※雑俳・口よせ草(1736)「うりてさへ時宜するぼろを買て行」
② 使い古して役だたない布。つづれ。ぼろきれ。
※万国新話(1868)〈柳河春三編〉一「布屑(ボロ)などを以て大なる人形を造り」
③ 破れているもの。こわれているもの。また、役に立たないもの。他の名詞の上に付けても用いる。
真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉三三「寝衣の単物にぼろ袷(あはせ)を重ね」
④ 糞。特に、馬糞
金貨(1909)〈森鴎外〉「馬の糞(ボロ)を捨てる箱があったので」
⑤ 隠されている欠点。また、失敗破綻。→ぼろが出るぼろを出す
[補注]物が破れているさまを表わす擬態語「ぼろぼろ」から出た語。

ぼろ・ける【襤褸】

〘自カ下一〙
① 衣服や布などが使い古されてぼろになる。
小鳥の巣(1910)〈鈴木三重吉〉下「ぼろけた着物に赤い細帯一つを巻いて」
知覚がにぶくなる。おいぼれる。〔和英語林集成初版)(1867)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「襤褸」の意味・読み・例文・類語

ぼろ【襤褸】

《擬態語「ぼろぼろ」から出た語》
使い古しの布。ぼろきれ。「襤褸で靴を磨く」
着古して破れた衣服。また、つぎだらけの衣服。「襤褸を着る」
隠していた都合の悪い点。また、失敗。「襤褸を隠す」
破れたり、こわれたりしているもの。また、役に立たなくなったもの。「襤褸くず」「襤褸家」
[類語](1)(2粗衣弊衣つづれ襤褸/(3デメリットあら欠点

らん‐る【××褸】

破れた衣服。ぼろぼろの衣服。また、ぼろきれ。ぼろ。つづれ。「襤褸をまとう」
[類語]ぼろ弊衣つづれ粗衣

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「襤褸」の読み・字形・画数・意味

【襤褸】らんる

ぼろ衣。

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