精選版 日本国語大辞典 「補」の意味・読み・例文・類語
おぎな・う おぎなふ【補】
〘他ワ五(ハ四)〙
① 不足をみたす。欠けているものをつけ加える。そえる。おぎぬう。おぎのう。
※伊呂波字類抄(鎌倉)「補 オキヌフ オキナフ 闕也」
② 相手に与えた損害、罪などの埋め合わせをする。つぐなう。つくろう。おぎぬう。おぎのう。
おぎない おぎなひ【補】
〘名〙 (動詞「おぎなう(補)」の連用形の名詞化)
※和英語林集成(初版)(1867)「ニク ヲ タベテ カラダ ノ oginai(オギナイ) ニ スル」
② 「おぎないぐすり(補薬)」の略。
※滑稽本・和合人(1823‐44)初「其薬箱を是へつかはされ、補(オギナヒ)を一帖進ぜませう」
ほ‐・する【補】
〘他サ変〙 ほ・す 〘他サ変〙
① 職の担当を命じる。職に任ずる。ふす。
② おぎなう。補充する。
※正法眼蔵(1231‐53)山水経「およそ男石女石あり、非男女石あり、これよく天を補し地を補す」
ほ【補】
[1] 〘名〙 おぎなうこと。「作」に対して「補す」意で用いる。「何某作、何某補」。→補する。
[2] 〘語素〙 官職を表わす語に付いて、その職になる前の候補としての資格であることを示す。「書記補」「警部補」「次官補」など。〔英和外交商業字彙(1900)〕
おぎぬ・う おぎぬふ【補】
〘他ハ四〙 (古くは「おきぬう」)
① =おぎなう(補)
※書陵部本名義抄(1081頃)「補 オキヌフ」
② 衣などを縫い綴る。
※たまきはる(1219)「桜のうた、詩などを、きぬのつき、唐衣、裳の腰に、いかにせんとをきぬい」
[語誌]→「おぎなう(補)」の語誌
ふ‐・す【補】
〘他サ変〙 官職に任命する。任ずる。ほす。
※延喜式(927)一八「凡飛騨、陸奥、出羽及太宰府所管諸国人、皆不レ得レ補二帳内職分位分資人一」
※高野本平家(13C前)一「加賀の目代に補(フ)せられ」
ほ‐・す【補】
〘他サ変〙 ⇒ほする(補)
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