普及版 字通 「衒(漢字)」の読み・字形・画数・意味
衒
11画
(異体字)
13画
[字訓] てらう・うる
[説文解字]
[字形] 会意
正字はに作り、行+言。〔説文〕二下に「行き且つ賣るなり」とあり、重文として衒を録する。〔楚辞、天問〕に「妖夫曳衒(えいげん)す 何をか市(まち)に號(さけ)べる」とあって、憑(つ)きものがあって狂うような状態をいう。巫女がエクスタシーの状態に陥ることで、また衒媚(げんび)ともいう。媚は媚蠱(びこ)、呪物を用いて祈る巫女。道路で行う呪儀には(術)・(御)などがある。は祟(たたり)をなす獣(朮の形)を用い、は呪器としての午(杵(きね))を用いる。・衒もそれぞれその呪儀の方法を示す字である。〔説文〕のいう衒売はまた衒鬻(げんいく)ともいい、自ら売りこむ意。衒の本義は、・などの字形と関連して考えるべきである。
[訓義]
1. てらう、みせびらかす、ごまかす。
2. うる、うりこむ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕衒 テラフ・ウル・ヘツラフ・ウツム・アザムク・エラブ・カガヤカス・キラス・ナラフ・キラフ/ ウル 〔字鏡〕衒 カガヤカス・アキナフ・ウル・アザムク・ナヒヒ・テル・セム・ヘツラフ・テラフ・ウツム・キラフ・フテラフ・エラブ・キラス・カウカス・ナラフ/ ウル・テラフ・トガ・アザムク・ヘツラフ
[語系]
衒()・眩・・()・幻hyuenは同声で、みな幻乱の意があり、衒はそのような呪的行為をいう。
[熟語]
衒異▶・衒鬻▶・衒外▶・衒学▶・衒気▶・衒言▶・衒夸▶・衒沽▶・衒巧▶・衒才▶・衒妻▶・衒士▶・衒辞▶・衒女▶・衒達▶・衒張▶・衒能▶・衒売▶・衒美▶・衒婦▶・衒服▶・衒▶・衒露▶・衒惑▶
[下接語]
曳衒・矜衒・估衒・誇衒・賈衒・自衒・媒衒・浮衒・遊衒
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報