行止(読み)いきどまる

精選版 日本国語大辞典 「行止」の意味・読み・例文・類語

いき‐どま・る【行止】

〘自ラ五(四)〙
① 行って途中で止まる。立ち止まる。ゆきどまる。
※寛永刊本蒙求抄(1529頃)一「桓温が輿に乗て行こと十六里にして、白い鶏を見ていきとまった」
② 行ってそこに止まる。いき着く。ゆきどまる。
③ 進んで行って突きあたる。ゆきどまる。
物事がそれ以上先に進行しなくなる。また、物事の極限に達する。
人情本春色辰巳園(1833‐35)初「おめへのやうに其様(さう)行止(イキドマ)ってゐりやァ、何の気のもめることも有めへ」

ゆき‐どま・る【行止】

〘自ラ四〙 (「ゆきとまる」とも)
① 道などの行く手がさえぎられていて、それ以上行けなくなる。進んで行って突きあたる。行き着く。ゆきづまる。いきどまる。
古今(905‐914)雑下・九八六「世の中はいづれかさして我がならんゆきとまるをぞ宿と定むる〈よみ人しらず〉」
② 進んで行って途中で止まる。立ち止まる。いきどまる。ゆきとどまる。
和泉式部集(11C中)下「待つ人はゆきとまりつつあぢきなく年のみ越ゆるよさのおほ山」
③ 物事がうまく進行しないでどうにもならなくなる。また、物事の極限に達する。いきどまる。

こう‐し カウ‥【行止】

〘名〙
① 行くことと止まること。また、実行と不実行。〔文明本節用集(室町中)〕
最暗黒之東京(1893)〈松原岩五郎〉二四「夜業車夫〈略〉通宵闇を縫ふて行止(コウシ)、彷徨、客を待ち、獲物を尋索し歩くなり」 〔孟子‐梁恵王・下〕
② たちいふるまい。おこない。品行徳行行状
※玩鴎先生詠物雑体百首(1794)杖「烏藤誰製杖、行止任人情

いき‐どまり【行止】

〘名〙
① 道などの行く手がふさがっていて、そこから先に行けないこと。また、その場所。ゆきどまり。
咄本・鹿の巻筆(1686)五「『さきはいきどまりか』と問へば」
② 物事がそれ以上進行しなくなること。また、極限に達すること。また、その状態。ゆきづまり。
※人情本・明烏後正夢(1821‐24)初「ばかばかしいの行留(イキドマ)りじゃアござりやせんか

ゆき‐どまり【行止】

〘名〙
① 行く手がふさがって、それ以上は先へ行けないこと。また、その所。いきどまり。ゆきづまり。
※俳諧・文化句帖‐元年(1804)四月「行々しどこが葛西の行留り」
② 物事がそれ以上先に進まないこと。また、物事の極限に達したこと。極点。いきどまり。ゆきづまり。
政談(1727頃)一「戸籍の法さへ丈夫に立ときは、先の行泊り無き故」

おこない‐さ・す おこなひ‥【行止】

〘他サ四〙 念仏、読経することを途中で中止する。
※更級日記(1059頃)「人声もせず、山風おそろしうおぼえて、をこなひさしてうちまどろみたる夢に」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「行止」の読み・字形・画数・意味

【行止】こう(かう)し

進退。動静。〔孟子、梁恵王下〕行くは之れを(せ)しむる或(あ)り、止まるは之れを尼(とど)むる或り。行止は人の能くするに非ざるなり。

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