精選版 日本国語大辞典 「融通」の意味・読み・例文・類語
ゆう‐ずう ‥ヅウ【融通】
〘名〙
① 滞りなく通ずること。相互の間に障害もなく通用すること。また、隔てなく気持などが通じ合うこと。ゆずう。〔文明本節用集(室町中)〕
※煤煙(1909)〈森田草平〉三〇「神と人間との間には未だしも融通がある」 〔任昉‐斉竟陵文宣王行状〕
② 金銭の流通すること。また、困ったときや困った人に金銭物品などを貸借すること。やりくりすること。ふりかえて使用すること。ゆずう。
※真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉二「誠に今年は不手廻りで融通が悪うございます」
③ 仏語。異なる別々のものがとけあって邪魔しないこと。互いにとけあって一体となること。ゆずう。
[補注]古い例は多く「ゆずう」と読まれている。→ゆずう
ゆ‐ずう ‥ヅウ【融通】
〘名〙 (「ゆ」は「融」の呉音)
① =ゆうずう(融通)①
※習道書(1430)「自他ゆつうのみちをもて、舞歌をなす心をもつべし」
② =ゆうずう(融通)②
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四「つかふための金銀だから用向の事には遣ふがよし。つかはねば融通(ユヅウ)が悪い」
③ =ゆうずう(融通)③
※真如観(鎌倉初)「万法を融通(ユヅウ)して一切となせば」
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