蜉蝣(読み)ふゆう

精選版 日本国語大辞典 「蜉蝣」の意味・読み・例文・類語

ふ‐ゆう ‥イウ【蜉蝣】

〘名〙
カゲロウのこと。ふゆ
※三教指帰(797頃)中「令汝得蜉蝣短齢。与亀鶴相競」 〔詩経‐曹風・蜉蝣〕
② (①が朝に生まれ夕べに死ぬといわれているところから) 人生のはかないことのたとえ。
性霊集‐四(835頃)請奉為国家請修法表「雖蜉蝣心体、羊犬神識、此思此願、常策心馬」 〔蘇軾‐前赤壁賦

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デジタル大辞泉 「蜉蝣」の意味・読み・例文・類語

かげろう〔かげろふ〕【蜉蝣/蜻蛉】


《飛ぶ姿が陽炎かげろうの立ちのぼるさまに似ているところからの名》カゲロウ目の昆虫総称。体は繊細で、腹端に長い尾が2、3本ある。はねは透明で、幅の広い三角形。夏、水辺の近くの空中を浮かぶようにして群れ飛ぶ。幼虫は川中のれき上や砂中に1~3年暮らす。成虫は寿命が数時間から数日と短いため、はかないもののたとえにされる。糸遊いとゆう
蜻蛉トンボの古名。 秋》
「―なんどのやうにやせおとろへたる者よろぼひ出できたり」〈平家・三〉
(蜻蛉)源氏物語第52巻の巻名。薫大将、27歳。浮舟失踪しっそうと、その後の薫を描く。

ふ‐ゆう〔‐イウ〕【××蝣】

カゲロウのこと。
1が朝に生まれて夕べに死ぬといわれるところから》人生のはかないことのたとえ。
「―の微命、もとより死を畏れず」〈露伴運命

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普及版 字通 「蜉蝣」の読み・字形・画数・意味

【蜉蝣】ふゆう(いう)

かげろう。はかないもの、無力なものにたとえる。〔随園詩話、一〕今人未だ韓()・柳(宗元)の門を窺はずして、先づ六ひ、未だ李(白)・杜(甫)の皮毛を得ずして、已に(庭)・李(商隠)を輕んず。何ぞ蜉蝣の多きや。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「蜉蝣」の解説

蜉蝣 (カゲロウ)

動物。カゲロウ目の昆虫の総称

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