蚯蚓(読み)みみず

精選版 日本国語大辞典 「蚯蚓」の意味・読み・例文・類語

みみず【蚯蚓】

〘名〙
① 貧毛目に属する環形動物総称。世界に約三〇〇〇種があり、小形種で体長二~三ミリメートル、大形種は二メートルにもなる。体は細長い円筒状で、多数の環節からなる。前端に頭があり、やや後方の太くなった環帯と呼ばれる部分に生殖孔が開く。雌雄同体で、再生力が強い。陸生または水生で、多く枯葉腐植土を食い、中の有機物を栄養とする。光を感ずる細胞をもち、常に暗がりの方へ進む性質をもつ。普通にみられるのは赤みを帯びたシマミミズで体長一〇センチメートルくらいになる。世界中に分布魚釣りのえさにするほか、乾燥したものを解熱剤にする。赤龍(せきりょう)。めめず。きつねのそば。《季・夏》
催馬楽(7C後‐8C)力なき蝦「力なき蝦 力なき蝦 骨なき美々須(ミミズ) 骨なき美々須(ミミズ)
※雑俳・柳多留‐一〇(1775)「能い筆で蚓を書いてしかられる」

きゅう‐いん キウ‥【蚯蚓】

〘名〙 「みみず(蚯蚓)」の異名
※天柱集(1348頃)示裔翔侍者「捉筆為一揮、要使龍蛇飛。落紙不意、但覚蚯蚓肥」 〔礼記月令

めめず【蚯蚓】

〘名〙
① 「みみず(蚯蚓)」の変化した語。〔かた言(1650)〕
② みみずがはい回った跡のようなへたな文字。みみず書き。
※雑俳・川柳評万句合‐安永元(1772)天二「かな釘とめめずと下女は取りかわせ」

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デジタル大辞泉 「蚯蚓」の意味・読み・例文・類語

みみず【蚯蚓】

貧毛綱の環形動物の総称。体は円筒形で細長く、多くの環節からなり、頭のほうに環帯とよぶ膨らみがある。陸生のものは地中にすみ、腐植土を食う。雌雄同体。魚釣りの餌に用い、また解熱剤とする。赤竜せきりょう。きゅういん。めめず。 夏》
[補説]書名別項。→蚯蚓

みみず【蚯蚓】[書名]

小説家倉光俊夫による個人雑誌。昭和55年(1980)創刊。

めめず【蚯蚓】

みみず」の音変化。

きゅう‐いん〔キウ‐〕【××蚓】

ミミズの別名。

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普及版 字通 「蚯蚓」の読み・字形・画数・意味

【蚯蚓】きゆう(きう)いん

みみず。〔説苑、雑言〕夫(そ)れ蚯蚓はに筋骨の強無く、外に爪の利無し。然れども下(しも)泉に飮み、上(かみ)晞土(きど)を墾(たがや)すは、~心を用ふること一なればなり。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「蚯蚓」の解説

蚯蚓 (ミミズ)

動物。貧毛綱に属する環形動物の総称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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