虹(D・H・ローレンスの小説)(読み)にじ(英語表記)The Rainbow

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

虹(D・H・ローレンスの小説)
にじ
The Rainbow

イギリスの作家D・H・ローレンス長編第四作で、次作の長編『恋する女たち』と並ぶ重要な作。1915年刊。1870年代から1910年ごろにかけ、急速な産業化を迎えた中部イングランドを背景に、ブラングウェン家の3代にわたる一族を中心に、男女間のシビアな問題を追う。マーシュ農場の小地主トム・ブラングウェンとポーランド人の未亡人リディアレンスキーの出会いに始まり、リディアの連れ子アンナとトムの甥(おい)ウィルの結婚生活、さらに2人の間の娘アーシュラの青春彷徨(ほうこう)が描かれている。

[羽矢謙一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例