精選版 日本国語大辞典 「虫食」の意味・読み・例文・類語
むし‐くい ‥くひ【虫食】
〘名〙
① (「むしぐい」とも) 虫が食うこと。むしばむこと。また、その痕(あと)。また、そのような形のもの。むしかめ。むしばみ。転じて、欠点のあること。傷のあること。
※平家(13C前)二「彼の二つの栴(なぎ)の葉に一首の歌を虫ぐひにこそしたりけれ」
※虎明本狂言・栗焼(室町末‐近世初)「四つあまるおこせひ、其内にむしくひが一つござった」
② 特に、作物などが虫に食われて損害を蒙ること。また、そのもの。虫損。
※鵤荘引付‐明応六年(1497)五月「当国近年虫喰以外也。仍於二府中惣社・諸山一申被レ付仁王執行有レ之」
③ =むしば(虫歯)
④ 老いた鶯(うぐいす)の異称。
※枕(10C終)四一「鶯は、文などにもめでたきものに作り、〈略〉夏秋の末まで老声に鳴きて、むしくひなど、ようもあらぬ者は名をつけかへていふぞ、口をしくくすしき心地する」
むし‐ばみ【虫食】
〘名〙 虫が食うこと。また、その跡。むしくい。
※宇津保(970‐999頃)内侍督「らふのむしばみなどしたるに、あやけづり出だしなどしたるに、からくさ・とりなどゑりすかしてあるにいれて」
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