虫(漢字)

普及版 字通 「虫(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

(旧字)蟲
18画

[字音] チュウ・キ
[字訓] むし

[説文解字]

[字形] 会意
正字は蟲に作り、三虫に従う。〔説文〕十三下に「足るもの、之れを蟲と謂ふ。足無きもの、之れを豸(ち)と謂ふ。三虫(き)に從ふ」という。豸は貍(り)・(びよう)の従うところで、明らかに足があり、〔説文〕のいうところは逆である。〔荘子、在宥〕「災ひ、木にび、ひ、止蟲にぶ」の止は豸の仮借。蟲は蛇や昆虫類、また羽毛介のものを含めていうこともある。いま略字として用いる虫は別の字で、本音はキ、まむしをいう。

[訓義]
1. むし。
2. 虫(き)はまむし。
3. 羽毛介の総名に用いる。

[古辞書の訓]
和名抄〕蟲 无之(むし) 〔立〕蟲 ムクメク・ムシ

[部首]
〔説文〕に虫(き)・(こん)・蟲の三部があり、蟲部に蠱(こ)など四字を属する。その部にはまた(ぼう)・(ひ)・蜚(ひ)など別体の字として加えており、これによっていえば、この三部の間に厳密な区別があるわけではない。

[声系]
〔説文〕に蟲声として融など四字を収める。その字はみな融のように、蟲の省声に従うとするが、融は会意字とみるべきである。釜鬲の外に蟲がこぼれるようにれ、器中のものがすでに融解していることを示す。

[語系]
蟲diong、動dongは声義近く、蟲とは蠢動(しゆんどう)するものをいう。

[熟語]
虫化虫害虫蝎・虫気・虫・虫虫蟻虫垢虫蝗虫災・虫児虫聚・虫書・虫・虫声虫旋虫蛆虫霜虫蛇虫豸・虫虫・虫・虫篆虫臂・虫文虫螟・虫網虫妖・虫羅虫鏤虫籠
[下接語]
羽虫・益虫・夏虫・華虫・介虫・害虫・玉虫・吟虫・穴虫・甲虫・狡虫・蝗虫・昆虫・沙虫・三虫・鷙虫・小虫・水虫・生虫・成虫・草虫・蟄虫・雕虫・蠹虫・飛虫・螟虫・毛虫・野虫・幼虫・裸虫・


6画

[字音] キ・チュウ
[字訓] むし・まむし

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
蛇など、爬虫類の形。〔説文〕十三上に「一名蝮(まむし)」とし、また虫類の総名に用いる。〔爾雅、釈魚〕「蝮(ふくき)」の〔注〕に、江淮以南では蝮、江淮以北ではといい、江南のものには猛毒があるという。虫は古く呪霊をもつものがあるとされて、蠱術(こじゆつ)に用い、蠱による呪詛(たたり)という。は虫の形に従う字である。(こん)は虫類の総名、蟲は小さな虫の集まる形。いま虫を蟲の意に用いる。

[訓義]
1. むし。
2. まむし。

[古辞書の訓]
名義抄〕虫 ムシ 〔字鏡集〕虫 フトウシ・ムシ

[部首]
〔説文〕に百五十三字、〔新附〕に七字を属し、〔玉〕には五百二十五字を収める。江南の開発に伴って、多くの種類が加えられたのであろう。〔説文〕虫部の字のうち、蜀は牡器を主とする牡獣の象で、虫の部分が牡器、これを縊って去勢することを(けん)という。この蜀・の二文を、この部より除くべきである。

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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