虜(漢字)

普及版 字通 「虜(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

(旧字)
人名用漢字 13画

[字音] リョ・ロ
[字訓] とりこ・いけどり・しもべ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(りよ)。盧・慮などの従うところと同じ。〔説文七上に「たるものなり」とあって、軍獲、すなわち捕虜をいう。字形について「(くわん)に從ひ、力に從ふ。虍(こ)聲」とするが、声が合わない。力を以て捕らえ、これを貫して率いる意とするものであろうが、金文に盧をに作ることからいえば、声とすべきであろう。〔詩、大雅、常武〕は淮夷を伐つことを歌うもので、「仍(しき)りに醜を執(とら)ふ」とあり、主として外族をいう語であろう。金文には外族のことを(しゆう)(獸の初文)といい、のちの虜(しゆうりよ)・醜虜という語にあたる。の字は、文献に至ってみえる字である。

[訓義]
1. とりこ、いけどり、とりこにする。
2. 外族、えびす、敵人。
3. しもべ、やっこ、奴隷。
4. と通じ、つよい。
5. 鹵と通じ、うばう。

[古辞書の訓]
名義抄 ヲロカナリ・ツカフ・(カ)タキ・カスム 〔字鏡集〕 ヲロカナリ・カタキ・ウバフ・トリコ・ツカフ・カスム

[声系]
〔説文〕に声としてなど三字を収める。は膠(にかわ)をる器。また慮(りよ)声・盧(ろ)声の字も多いが、それらの間に共通義を求めがたい。

[語系]
la同声は〔説文〕十二上に「拏持(どぢ)するなり」とあり、引くようにして収めることをいう。鹵loと声近く、鹵掠(ろりやく)の意に用いる。

[熟語]
虜営・虜役虜獲虜騎・虜虜醜虜囚・虜人・虜陣虜塵虜奪・虜地虜廷・虜庭虜浮・虜民虜掠・虜略
[下接語]
逆虜・驕虜胡虜・降虜・首虜・囚虜臣虜・遷虜・敵虜・奴虜・蛮虜俘虜・捕虜・亡虜・僕虜

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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