精選版 日本国語大辞典 「虐」の意味・読み・例文・類語
せた・げる【虐】
〘他ガ下一〙 せた・ぐ 〘他ガ下二〙
① 攻めたてる。攻撃する。
※芸大本平家(13C前)一二「兵共命を惜まず防ぐ間、毎度に御方逐落さる、敵をせたぐるに及ばず」
② 過ちなどを、ひどく責める。責めたてる。
※尚書抄(16C前‐中)六「民が咎もなきに紂が我をせたくると云ことを天に呼て告なり」
④ せきたてる。いそがせる。催促する。取り立てる。
しえた・げる しへたげる【虐】
〘他ガ下一〙 しへた・ぐ 〘他ガ下二〙 (「しえたく」「しえだく」とも)
① むごくあつかう。くるしめる。虐待する。しいたげる。
② 無実の罪におとしいれる。ぬれぎぬをきせる。だます。
※観智院本名義抄(1241)「寃 シヘダク」
③ 征服する。制する。
しいたげ しひたげ【虐】
せいた・ぐ【虐】
〘他ガ下二〙 虐待する。むごくあつかう。また、無実の罪におとす。しえたぐ。しいたげる。〔文明本節用集(室町中)〕
※ぎやどぺかどる(1599)下「わが掟に随はず、汝等よりうけおひたる者責めせいたげて」
せたぐ・る【虐】
〘他ラ四〙 =せたげる(虐)
※浄瑠璃・感陽宮(1657)四「それ天子と成ては〈略〉万民のめくむをもって君とす、なんぞたみをせたぐり、悪逆無道」
ぎゃく【虐】
〘名〙 しいたげること。むごく取り扱うこと。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
※浄瑠璃・曾我扇八景(1711頃)十番斬「をしへずして殺すを虐といひ」 〔書経‐伊訓〕
ぎゃく‐・す【虐】
〘他サ変〙 人をひどく扱う。しいたげる。
※集義和書(1676頃)七「下を虐するに及ぶの楽み多し」
しいた・げる しひたげる【虐】
〘他ガ下一〙 しひた・ぐ 〘他ガ下二〙 (「しえたげる(虐)」の変化した語) むごくあつかう。いじめる。虐待する。〔和英語林集成(再版)(1872)〕
しいた・ぐ しひたぐ【虐】
〘他ガ下二〙 ⇒しいたげる(虐)
しえた・ぐ しへたぐ【虐】
〘他ガ下二〙 ⇒しえたげる(虐)
せた・ぐ【虐】
〘他ガ下二〙 ⇒せたげる(虐)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報