虎屋(読み)とらや

精選版 日本国語大辞典 「虎屋」の意味・読み・例文・類語

とら‐や【虎屋】

[一] 京都市上京区一条通烏丸西入ルの菓子屋。寛永一二年(一六三五)以来御所の注文を受けていた店で、東京遷都とともに本店を東京に移した。港区赤坂四丁目にある虎屋黒川がそれにあたる。
[二] 大阪市中央区高麗橋三丁目にあった菓子屋。元祿一五年(一七〇二)の創業で、虎屋大和大掾藤原伊織と称し、饅頭(まんじゅう)を売り物とした。
[三] 江戸新和泉町(東京都中央区日本橋人形町三丁目)にあった饅頭屋芝居町葺屋町堺町近く、特に役者・芝居客を得意とした。
[四] 江戸新吉原の角町河岸(東京都台東区千束四丁目)にあった遊女屋。虎屋次郎吉の店。

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「虎屋」の解説

虎屋

正式社名「株式会社虎屋」。英文社名「TORAYA CONFECTIONERY CO., LTD.」。食料品製造業。昭和22年(1947)設立本社は東京都港区赤坂。和菓子会社。室町時代(16世紀)創業の老舗。代表的な商品は羊羹「夜の梅」「おもかげ」など。首都圏中心に全国の百貨店などに店舗展開。フランス・パリに支店をおく。

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世界大百科事典(旧版)内の虎屋の言及

【まんじゅう(饅頭)】より

…また式三献(しきさんごん)(本膳料理)の二献目には,汁を添えて出されるのが例ともされていた。 現在のようなまんじゅうの普及が確認できるのは《雍州府志》(1682)からのことで,同書によると当時の京都には浄因の後裔(こうえい)の烏丸の塩瀬,同じく帰化人を祖とする一条の虎屋,そのほかの店が競ってまんじゅうをつくっており,それらはいずれも砂糖を用いた小豆あんを入れるとしている。江戸ではほぼ同じころ,日本橋の塩瀬や本町の桔梗(ききよう)屋のものが知られ,また浅草待乳山の米(よね)まんじゅうが評判であった。…

※「虎屋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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