蘇甘栗使(読み)そあまぐりのつかい

精選版 日本国語大辞典 「蘇甘栗使」の意味・読み・例文・類語

そあまぐり‐の‐つかい ‥つかひ【蘇甘栗使】

連語平安時代新任大臣大饗(たいきょう)などの時、朝廷から賜わる蘇(そ)(=酥)と干した栗の実を大臣の邸に持参した勅使甘栗の使い。蘇甘栗の勅使。〔侍中群要(1071か)〕

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世界大百科事典(旧版)内の蘇甘栗使の言及

【甘栗】より

…天津が集産地であったから日本では天津栗というが中国では板栗といい,品質は最も優れている。日本では平安時代,大臣に新任されたときの大饗(たいきよう)などのさい,朝廷から蘇(そ)と甘栗を賜るならわしがあり,それを届ける勅使を蘇甘栗使(そあまぐりのつかい)と呼んだ。この甘栗は干栗(ほしぐり)であったと思われるが,《延喜式》には干栗のほかに〈搗栗(かちぐり)〉〈平栗(ひらぐり)〉と呼ぶものもあり,それらと甘栗の違いはよくわからない。…

【蘇】より

…この蘇は内蔵寮に保管され,必要に応じて諸行事の際に使われていた。《江家次第》などによると,大臣大饗(だいきよう)の際には,天皇から蘇と甘栗をつかわされる決りで,その勅使を〈蘇甘栗使(そあまぐりのつかい)〉と呼んだ。また二宮大饗の献立には蘇が加えられるのが例であった。…

【大饗】より

…大臣家の大臣大饗は,主として正月4日,5日に行われ,大臣家は請客使を遣わして第一の正客の尊者を迎える。尊者は親王の場合が多く,朝廷からは蘇甘栗(そあまぐり)使が甘栗などを持って来る。二宮大饗と大臣大饗は恒例の正月行事であり,任大臣大饗は,大臣に任官した者が正月私邸において行う臨時の大饗をいう。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」