藪田郷(読み)やぶたごう

日本歴史地名大系 「藪田郷」の解説

藪田郷
やぶたごう

上薮田かみやぶた・中薮田・下薮田辺りに所在した中世の郷。京都建仁けんにん寺住持清拙正澄の「大鑑禅師語録」に「駿河州藪田郷」とあり、建武二年(一三三五)五月頃後醍醐天皇が建仁寺に藪田郷一円の田地を寄進したことに対し清拙正澄は謝意を表している。応永一〇年(一四〇三)六月一八日の仲祐契状案(青蓮院文書)は、仲祐がかつて明王みようおう(現神奈川県鎌倉市)の快季から譲られ、先年京都青蓮しようれん院門跡に寄進した明王院などの寺務職およびその寺領の寄進契約を、太政大臣足利義満の子息(義円、のちの将軍義教)の青蓮院入室に際して重ねて確認したものであるが、そのなかに当郷が清浄金剛寺(現鎌倉市か)領としてみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android