藩籬(読み)はんり

精選版 日本国語大辞典 「藩籬」の意味・読み・例文・類語

はん‐り【藩籬・籬・樊籬】

〘名〙 (「藩」「」「樊」ともに、まがきの意)
垣根。かこい。塀。
※三教指帰(797頃)下「翥翮籬、何能知有九万之鵬」
※公議所日誌‐一五上・明治二年(1869)五月「尽く其徒を集め、藩籬を厳にし」 〔竇牟‐秋夕閑居対雨詩〕
② (①が外部から守るものであるところから) 守護するもの。保衛。特に、王家を守護するもの。
太平記(14C後)八「夫吾山者為七社応化之霊地、作百王鎮護之藩籬(ハンリ)」 〔賈誼‐過秦論上〕
③ 他とわけへだてるもの。
※真善美日本人(1891)〈三宅雪嶺〉国民論派〈陸実〉「四海兄弟の原則は端なく国民と云へる藩籬を忘れしめ」
学問などの初歩的な段階。門。
※異制庭訓往来(14C中)「某天性魯鈍。緇素叵弁也。如是之作体。争得其藩籬」 〔史通

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デジタル大辞泉 「藩籬」の意味・読み・例文・類語

はん‐り【藩×籬】

藩屏はんぺい1」に同じ。
藩屏はんぺい2」に同じ。
ラファエルは、始終宗教の―に頼りしが故に」〈抱月・囚はれたる文芸〉
他と隔てるもの。
博愛を唱えてみだりに―を作り」〈蘆花思出の記
学問・芸術などの糸口。初歩的な段階。

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普及版 字通 「藩籬」の読み・字形・画数・意味

【藩籬】はんり

まがき。奥をのぞく入口門戸。宋・寛父〔詩話〕王(安石)、年に亦た(李)義山の詩を喜ぶ。以爲(おも)へらく、人の、老杜杜甫)を學ぶことを知りて、其の籬を得たるは、惟だ義山一人のみと。

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