藍閃石片岩(読み)ランセンセキヘンガン(英語表記)glaucophane schist

デジタル大辞泉 「藍閃石片岩」の意味・読み・例文・類語

らんせんせき‐へんがん【藍×閃石片岩】

藍閃石を含む結晶片岩玄武岩質の岩石高圧・低温型の広域変成作用を受けてできる。青色せいしょく片岩

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「藍閃石片岩」の意味・わかりやすい解説

藍閃石片岩
らんせんせきへんがん
glaucophane schist

アルカリ角閃(かくせん)石の一種である藍閃石を含む結晶片岩。他の成分鉱物としては、緑簾(りょくれん)石、パンペリー石、ローソン石、スティルプノメレン赤鉄鉱ざくろ石、アルカリ輝石などが含まれる。玄武岩質の岩石が、高い圧力(数千気圧以上)と比較的低い温度(200~300℃)の条件下で広域変成作用を受けて生成したもの。高圧型変成帯の代表的岩石の一つである。藍閃石とアルカリ輝石、ざくろ石、赤鉄鉱などの組合せは、珪(けい)質の結晶片岩にも出現し、藍閃石石英片岩となる。これも高圧型変成帯に特徴的な岩石である。藍閃石片岩は、北海道の神居古潭(かむいこたん)変成帯、本州の三郡変成帯や三波川(さんばがわ)変成帯、九州の長崎変成帯、沖縄の石垣島変成帯などに産する。また、アメリカ西海岸のフランシスカン変成帯やヨーロッパ・アルプスの変成帯にも、広くみいだされている。

[橋本光男]

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岩石学辞典 「藍閃石片岩」の解説

藍閃石片岩

特徴的な藍閃石質角閃石を含む片岩で,藍閃石(glaucophane)が主要な鉱物.しばしば緑簾石が含まれ,石英や雲母類が存在する[Barrois : 1883, Harker : 1932].

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