薬(漢字)

普及版 字通 「薬(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 16画

(旧字)
19画

[字音] ヤク
[字訓] くすり・いやす

[説文解字]

[字形] 形声
声符は樂(楽)(がく)。樂に爍・鑠(しやく)の声があり、はその声が転じたものであろう。(しやく)((やく))・釋(しやく)(譯(やく))と同様の関係が考えられる。〔説文〕一下に「を治す艸なり」とあり、薬草をいう。治療することを(りよう)といい、療の初文。古くは呪医が鈴を鳴らして邪霊を祓い、治療をしたので、は樂に従う。〔詩、陳風、衡門〕「以てゑを樂(療(いや))すべし」は、「ゑを樂しむ」とよんで賢者退隠の詩とされるものであるが、飢とは飢渇、欲望の不充足をいう。この詩は密会を歌う民謡である。

[訓義]
1. くすり、病の薬、毒薬
2. いやす、なおす、すくう、たすける。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕 豆知波利(つちはり)〔和名抄 久須利(くすり)〔名義抄 クスリ エビスクスリ、、ヌミクスリ

[語系]
jik、ji、療()liは声義に通ずるところがあり、(よう)は〔方言、十〕に「療治なり」とあり、江・湘郊会の地の語で、またともいう。療よりの声に転ずる関係が考えられる。兪・(癒)・jioも治療に関する字。兪(ゆ)は余(手術刀)を以て舟(盤)に膿漿を輸(うつ)す意象の字で、それによって治癒することを、心楽しむことをという。もと一系の語と考えられる。

[熟語]
薬雨・薬苑薬園・薬煙薬価薬裹・薬函・薬丸・薬気・薬・薬局・薬畦・薬研・薬言・薬斉・薬材・薬殺・薬散・薬市薬笥薬肆・薬資・薬・薬酒・薬種・薬食・薬石・薬箋・薬銭・薬・薬草・薬鼎・薬碾・薬湯・薬・薬品・薬物・薬圃・薬舗・薬方・薬法薬味・薬用・薬力・薬奩・薬・薬炉・薬籠
[下接語]
医薬・薬・火薬丸薬・奇薬・救薬・狂薬・劇薬・香薬・膏薬・剛薬・坐薬・散薬・市薬・薬・煮薬・勺薬・薬・薬・硝薬・嘗薬・上薬・常薬・神薬・鍼薬・水薬・施薬・製薬・石薬・仙薬・薬・善薬・草薬・丹薬・茶薬・調薬・典薬・点薬・投薬・湯薬・擣薬・毒薬・乳薬・売薬爆薬・秘薬・媚薬・百薬・傅薬・服薬・粉薬・方薬・麻薬・妙薬・名薬・用薬・良薬・霊薬・錬薬・和薬

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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