薛暮橋(読み)せつぼきょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「薛暮橋」の意味・わかりやすい解説

薛暮橋
せつぼきょう / シュエムーチャオ
(1904―2005)

中国の経済学者。江蘇(こうそ/チヤンスー)省無錫(むしゃく)の人。1927年中国共産党に入党。30年代に雑誌『中国農村』によって農村問題の研究、啓蒙(けいもう)にあたる。日中戦争時は華中抗日大学で教え、43~47年山東大学教授。49年10月、政務院財政経済委員会委員兼秘書長、52年8月国家統計局の初代局長に就任し、統計機構の整備に尽力した。59年9月、大躍進政策を支持せず国家統計局局長の地位を失い、ついで国家計画委員会副主任、国家経済委員会副主任のポストを失ったが、64年6月国家計画委員会副主任に復活した。文化大革命期には反動経済学者として批判されたが、75年9月復活。79年3月に国家計画委員会顧問、同経済研究所所長、80年8月国務院経済研究中心の責任者となった。中国改革派エコノミストの長老級の存在であった。おもな著書に『中国国民経済の社会主義的改造』(1959)、『中国社会主義経済問題研究』(1979)などがある。

矢吹 晋]

『矢吹晋「評伝(薜暮橋)」(『日中経済協会会報』1989年11月号)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例