薄荷(読み)ハッカ

デジタル大辞泉 「薄荷」の意味・読み・例文・類語

はっ‐か〔ハク‐〕【薄荷】


シソ科多年草湿気のある所に生え、高さ20~60センチ。全体に芳香がある。茎は四角柱で、長楕円形の葉が対生する。8~10月、葉の付け根に淡紫色唇形の小花が群がってつく。葉にはメントールが多く含まれ、薄荷油を採る。
㋑シソ科ハッカ属植物の一群。ヨーロッパ種のペパーミント西洋薄荷)・スペアミントオランダ薄荷)など。東洋種のものより小形で、花穂が細長い 花=秋》
薄荷脳」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「薄荷」の意味・読み・例文・類語

はっ‐か ハク‥【薄荷】

〘名〙
① シソ科の多年草。各地のやや湿った土地に生え、香料薬用に栽培もされる。高さ二〇~六〇センチメートル。茎は四稜(りょう)がある。全体に短毛を生じ、傷つけると特有の芳香を放つ。葉は柄をもち対生し、葉身は長さ二~八センチメートルの長楕円形で縁に粗い鋸歯(きょし)がある。夏から秋にかけ、葉腋に小さな淡紫色の唇形花が輪生状に群がって咲く。葉から薄荷油・薄荷脳をつくる。漢名、薄荷。めぐさ。はか。〔塵芥(1510‐50頃)〕
② ①と同種の欧州産の植物。西洋薄荷。ペパーミント。
③ ①の葉から製した無色針形の結晶薬品・香料などに用いる。
胡瓜遣(1872)〈仮名垣魯文〉初「薄荷(ハッカ)入の扇形(じがみ)を又三ツ四ツ食ふたら」

ば‐か【薄荷】

〘名〙 =はっか(薄荷)〔十巻本和名抄(934頃)〕

はく‐か【薄荷】

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漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典 「薄荷」の解説

はっか【薄荷】

漢方薬に用いる生薬(しょうやく)の一つ。薄荷葉(よう)ともいう。シソ科ハッカの葉を乾燥したもの。解熱清涼健胃止痒(しよう)発汗などの作用がある。慢性胃腸病神経症湿疹(しっしん)に効く柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)にきび、顔や頭の発疹(ほっしん)に効く清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)などに含まれる。またハッカの精油はメントールとはっか油に分離し、メントールは止痒(かゆみ止め)、鎮痛薬として外用の膏薬(こうやく)などに用いる。

出典 講談社漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典について 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「薄荷」の解説

薄荷 (ハッカ・バカ)

学名:Mentha arvensis var.piperascens
植物。シソ科の多年草,園芸植物,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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