薄紅（読み）うすべに

精選版 日本国語大辞典

うす‐べに【薄紅】

〘名〙

① べに色の薄いもの。桜色。うすべにいろ。

※浄瑠璃・孕常盤（1710頃）二「山鳩色に薄べにまぜて」

② 口や頬などに薄く付けるべに。

※雪国（1935‐47）〈川端康成〉「白い陶器に薄紅を刷いたやうな皮膚で」

うす‐くれない ‥くれなゐ【薄紅】

〘名〙 (「うすぐれない」とも)

① 薄いくれない色。うすこう。淡紅。

※山家集（１２Ｃ後）上「類ひなき思ひいではの桜かなうすくれなゐの花のにほひは」

② 香木の名。分類は伽羅(きゃら)。香味は甘辛。六十一種名香の一つ。

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

うす‐べに【薄紅】

１ 薄い紅色。
２ 唇・ほおなどに薄く引いた紅。

うす‐くれない〔‐くれなゐ〕【薄紅】

薄い紅色。淡紅。

出典　小学館

色名がわかる辞典

うすくれない【薄紅】

色名の一つ。淡く、ややくすんだ紅べに色。「くれない」は古い読み方で、近世以降は「べに」とも読む。紅色を帯びた色合いの形容として一般に用いられ、薄さの程度は時代によって少しずつ異なり、桃色に近い色から、赤みの強い色まで幅広い。紅はキク科ベニバナの花びらから紅色素を抽出した染色の色。紅色の鮮やかさに対し、薄紅の淡い色合いは穏やかで控えめな印象がある。現代でも口紅などに用いられる。

出典　講談社

デジタル大辞泉プラス

薄紅

青森県青森市、おきな屋が製造・販売する銘菓。青森産紅玉りんごの輪切りを砂糖で煮て乾燥させたアップルグラッセ。食べやすい一口サイズに切り分けられた「薄紅百顆(うすくれないひゃっか)」もある。

出典　小学館