薄煙(読み)うすけむり

精選版 日本国語大辞典 「薄煙」の意味・読み・例文・類語

うす‐けむり【薄煙】

〘名〙 (「うすげむり」とも)
① 薄く立つ煙。うすけぶり。
※玉塵抄(1563)四九「山家をみればうすげむりのたなびいたやうなぞ」
水蒸気、または水、ちりなどが細かく飛び散って煙のようにぼんやり見えるもの。また、その景色。うすけぶり。
千五百番歌合(1202‐03頃)九三二番「朝日さす氷のうへのうす煙まだ晴れやらぬ淀の河岸藤原良経〉」
③ (炊煙がうすいことから) 貧しい生活のたとえ。細い煙。うすけぶり。
※浄瑠璃・近頃河原達引(おしゅん伝兵衛)(1785)堀川「同じ都も世につれて、田舎がましの薄烟(ウスケムリ)、堀川辺に住居して」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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