蕪島(読み)カブシマ

デジタル大辞泉 「蕪島」の意味・読み・例文・類語

かぶ‐しま【蕪島】

青森県南東部、八戸市にある島。周囲800メートル、標高19メートルで、現在は埋め立てにより本土とつながっている。ウミネコ繁殖地で、国の天然記念物指定されている。

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日本歴史地名大系 「蕪島」の解説

蕪島
かぶしま

[現在地名]八戸市鮫町 鮫

さめ町の中心市街地の北東約一五〇メートルに位置する。周囲約八〇〇メートルの島で、昭和一八年(一九四三)陸繋された。国指定名勝種差海岸、ならびに種差海岸階上岳県立自然公園に属し、蕪島ウミネコ繁殖地として天然記念物に指定されている。島の山頂に現在の厳島いつくしま神社の前身である弁財天があったところから弁天べんてん島とも称された(新撰陸奥国誌)

正保四年(一六四七)の南部領内総絵図に「帽子島」とあるのは蕪島のことと考えられる。弘前藩江戸日記の延宝三年(一六七五)条に「壬四月十六日昼九ツ津軽御領御厩之間を出船仕、同廿日七ツニ南部御領、八戸之かぶ島と申間へ着船」とあり、藩政期には当島の間は船掛り適地とされ、廻船などの発着で賑った。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「蕪島」の意味・わかりやすい解説

蕪島
かぶしま

青森県南東部、八戸市(はちのへし)鮫(さめ)地区の海岸にある小島。海岸から約100メートルの海上にあったが、現在は埋め立てられて陸続きになっている。周囲約1キロメートル、高さ17メートルで輝緑凝灰岩からなる。島の名は蕪とよばれる野生アブラナが群生していることからつけられた。ウミネコの繁殖地として知られ、国の天然記念物に指定されている。早春に飛来し、島で産卵して夏の終わりに南へ飛び去る。その数は数万羽に及ぶ。2013年(平成25)三陸復興国立公園に指定された。

横山 弘]


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改訂新版 世界大百科事典 「蕪島」の意味・わかりやすい解説

蕪島 (かぶしま)

青森県南東部,八戸市の鮫町の海岸から約100mはなれた小島で,現在は埋め立てられて陸つづきになっている。周囲約1km,高さ17mで輝緑凝灰岩からなる。島の名は蕪と呼ばれる野生のアブラナが群生していることにちなむ。島はウミネコの繁殖地として1922年天然記念物に指定された。ウミネコは早春のころに飛来し,この島で産卵し,雛を育てて夏の終りに南方へ飛び去る。その数は数万羽に達する。
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百科事典マイペディア 「蕪島」の意味・わかりやすい解説

蕪島【かぶしま】

青森県八戸市鮫町(さめまち)の北にある周囲800mほどの小島。埋立により陸続きになっている。江戸時代には帽子島ともみえ,また弁天島とも称され,廻船の発着場として賑わった。ウミネコ繁殖地(天然記念物)として知られ,3月ごろ大群が飛来し,8〜9月ごろまでとどまり,群生して繁殖。
→関連項目三陸復興国立公園種差海岸八戸[市]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「蕪島」の意味・わかりやすい解説

蕪島
かぶしま

青森県南東部,八戸市の鮫地区北方にある小島。周囲約 1km,面積 0.018km2。今日では埋め立てにより陸続きとなっている。島はウミネコの繁殖地として知られ,国の天然記念物に指定。ウミネコは 3月頃島に飛来し,産卵して雛を育て 8~9月頃には島を去る。その数は数万羽に達する。三陸復興国立公園に属する。

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デジタル大辞泉プラス 「蕪島」の解説

蕪島

青森県八戸市鮫町の沖合い約150mに位置する無人島。ウミネコの繁殖地。

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