蔵開き(読み)クラビラキ

デジタル大辞泉 「蔵開き」の意味・読み・例文・類語

くら‐びらき【蔵開き】

[名](スル)新年吉日に、その年初めて蔵を開く祝い。一般に1月11日をその日として、商家農家で祝いをする。 新年》

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「蔵開き」の意味・わかりやすい解説

蔵開き
くらびらき

吉日を選んで年の初めに蔵を初めて開く行事。古くは正月11日にするのが決まりであった。この日はまた鏡開きの日でもあり、鏡餅(かがみもち)を下げてこれを割って雑煮を食べた。長野県北部では朝、汁粉をつくる家が多く、蔵の神に供え物をするという。神奈川県内でも蔵のある家では、この日蔵の戸を開き、米俵の上にお灯明や御神酒(おみき)をあげ、またツキゾメといって立杵(たてぎね)で米を搗(つ)いたり、ヒキゾメといって団子の粉をひいた。

[大藤時彦]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「蔵開き」の意味・わかりやすい解説

蔵開き
くらびらき

新年に吉日を選んで蔵を開く儀式江戸時代,諸大名家では初めて米蔵を開くことをいい,商家では2日の初荷出入りで蔵を開く習いであったが,一般には1月 11日を蔵開きの日とした。当日には福神に供えた鏡餅を割って餅雑煮にして食した (→鏡開き ) 。

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世界大百科事典(旧版)内の蔵開きの言及

【鏡開き】より

…古くは1月20日に行われていたが,江戸時代に3代将軍家光の忌日が20日であるため11日に改められたという。武家では甲冑を納めた櫃を開く具足開きが,町家では蔵開き,帳祝いが行われ,鏡餅を下げて主従や家族どうしで共食し,互いの関係を密にした。農家でも田打正月,鍬初めなどといって田畑に初鍬を入れ,そこに松や鏡餅の砕片を供えたり,臼起しといって暮に伏せた臼を起こし儀礼的に米つき等の作業をすることが行われ,同時に雑煮や汁粉を食べた。…

※「蔵開き」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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