蓼科温泉郷
たてしなおんせんきょう
長野県中東部、八ヶ岳(やつがたけ)火山北部と蓼科山南麓(なんろく)一帯に散在する温泉の総称。茅野市(ちのし)に属す。蓼科山に発する滝ノ湯川に沿う親(しん)湯、滝の湯、蓼科湖岸の蓼科温泉の一群と、天狗(てんぐ)岳に発する渋川に沿う明治、横谷(よこや)、渋川、渋の湯の一群をいい、後者を奥蓼科温泉郷ともよぶ。親湯、滝の湯、渋の湯などは古くからある温泉で、武田信玄の隠し湯(しんげんのかくしゆ)ともいわれる。中心は蓼科温泉で旅館数も多いが、そのほかはだいたい一軒宿。八ヶ岳中信高原国定公園域で、蓼科高原一帯の観光化とともに温泉施設も近代化している。
[小林寛義]
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蓼科温泉郷【たてしなおんせんきょう】
長野県茅野市,蓼科山南西麓の温泉群。おもに単純泉。25℃。小斎(こざい)・蓼科2温泉が中心で,滝ノ湯,親湯(しんゆ)を含む。八ヶ岳中信高原国定公園に属し,キャンプ,スケート,登山の基地。中央本線茅野駅からバス。南方に横谷,明治・渋川,渋,辰野の奥蓼科温泉郷がある。
→関連項目蓼科山
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蓼科温泉郷
たてしなおんせんきょう
長野県中部,蓼科高原にある温泉群。茅野市に属する。蓼科温泉を中心に,滝ノ湯,親湯 (しんゆ) の3温泉がある。泉質は単純泉,硫酸塩泉,酸性泉。泉温は蓼科温泉で 65℃。蓼科高原,白樺高原の観光や蓼科山登山の拠点で,周辺には別荘や保養所が多い。八ヶ岳中信高原国定公園に属する。
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世界大百科事典内の蓼科温泉郷の言及
【蓼科山】より
…降水や湧水が豊富なため,農業用水源となって北佐久・諏訪両地方の水田をうるおしている。蓼科山の南西麓,標高1200~1800mの緩斜面を蓼科高原といい,滝ノ湯,小斉(こさい),親湯(しんゆ)などの蓼科温泉郷や,その南の渋川に沿った奥蓼科温泉郷,ともに農業用の人造湖である蓼科湖と白樺湖などを中心とした一大観光地となっている。高原の観光開発が急速に進んだのは,1960年に蓼科温泉郷の土地が地元の湯川財産区から民間に買収されてからで,63年の蓼科有料道路(現,霧ヶ峰蓼科ビーナスラインの一部)の開通もこの傾向に拍車をかけた。…
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