蓮・藕(読み)はす

精選版 日本国語大辞典 「蓮・藕」の意味・読み・例文・類語

はす【蓮・藕】

〘名〙
スイレン科の多年生水草。インド、中国、オーストラリアの原産で、日本へは古い時代に中国から伝来した。高さ一~二メートル。根茎は地中をはい、節の多い塊根をつくる。葉柄は長く水上に出て、楯状につく。葉身は扁円形で径二〇~五〇センチメートル。葉柄に短いとげを散生する。夏、花茎の頂に約二〇個の花弁をもつ大きな花が咲く。花は日中開き、夕方にはしぼむ。花弁は倒卵形で紅・淡紅・白色や斑入(ふい)りなど種類が多い。花が散った後、花托(かたく)は径約一〇センチメートルの短い倒円錐形に発達、上面の蜂の巣状の穴に果実がはいっている。果実は長さ約二センチメートルの楕円形で食べられる。塊根を蓮根といい食用とする。和名は「蜂巣(はちす)」の略で、花托の様子からつけられた。漢名、蓮。はちす。れんげ。つまなしぐさ。《季・夏》
※散木奇歌集(1128頃)釈教「少女すら願へばはすに生まるなりうべしせなにてなに歎くらん」
※色葉字類抄(1177‐81)「荷 ハチス 俗ハス」
ヤマノイモをいう、女房詞

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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