デジタル大辞泉
「蓋」の意味・読み・例文・類語
がい【蓋】
《「かい」とも》
[名]仏語。
1 人間の善智や善心を覆い隠すもの。すなわち、煩悩。
2 法会のとき、高僧の歩行に際し、その上にかざす笠状のもの。
3 仏像や導師の高座を覆い飾る天蓋。
[接尾]助数詞。笠または笠状のものを数えるのに用いる。「犬笠一蓋」
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
かい【蓋】
[1] 〘名〙 (おおうものの意)
① 仏像などの上部のおおい。また、仏像、高僧、貴人などに後方からさしかけたり、天井からつるしておおう大きなかさ状のもの。きぬがさ。天蓋。懸蓋。
※性霊集‐三(835頃)与新羅道者化来詩「何日何時朝二魏闕一、忘レ言傾レ蓋褰二煙塵一」 〔釈氏要覧‐中〕
② 仏語。煩悩
(ぼんのう)が人知をおおい、くらくすること。→
五蓋。
[2] 〘接尾〙 (「がい」とも) 笠または笠状のものを数える時に用いる助数詞。
※延喜式(927)一五「女使用、白縑四疋〈略〉竹大笠一蓋」
ふた【蓋】
〘名〙
① 物の口をおおいふさぐもの。
※小川本願経四分律平安初期点(810頃)「虱い若出でば、蓋(フタ)を作りて塞ぐ応し」
② サザエ、タニシなど巻き貝類の口をおおうもの。〔本草和名(918頃)〕
④ かさぶた。
※咄本・軽口露がはなし(1691)一「是は天狗殿の灸のふたじゃ」
※洒落本・仕懸文庫(1791)二「『ヲイヲイ今のふたと三つつみをだしなよ』〈ふたとはすすりぶたをしゃれてかくいふ〉」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
世界大百科事典内の蓋の言及
【傘】より
…直接あたまにかぶる笠と区別するため〈さしがさ〉ともいう。しかし,傘と笠は関係深く,さらに,仏像の上に懸垂される天蓋や,宮廷の儀式に用いた〈きぬかさ〉とも共通する面がある。 中国の神話によれば,黄帝が戦いの際,五色の雲が花の形になって頭上にとどまったとき戦況が一変し勝利を得たので,これにちなんで華蓋をつくり,以後つねにかざしたという。…
【傘】より
…直接あたまにかぶる笠と区別するため〈さしがさ〉ともいう。しかし,傘と笠は関係深く,さらに,仏像の上に懸垂される天蓋や,宮廷の儀式に用いた〈きぬかさ〉とも共通する面がある。 中国の神話によれば,黄帝が戦いの際,五色の雲が花の形になって頭上にとどまったとき戦況が一変し勝利を得たので,これにちなんで華蓋をつくり,以後つねにかざしたという。…
【天蓋】より
…仏像の頭上にかざす蓋(きぬがさ)をいう。天空にあり,しかもつねに仏の頭上にあるところから華蓋,宝蓋,懸蓋などとも呼ばれる。…
【箱】より
… それらの形状は長方形,正方形のものが多く,多角形,円形など,内容品の形状によってさまざまにつくられた。箱の形式は蓋の構造によって名づけられる。桟(さん)蓋,挿(さし)蓋,被(かぶせ)蓋,印籠(いんろう)蓋(合口造ともいう)とあり,底の形式に平底,上げ底,さらに台や脚をつけたものなどがある。…
※「蓋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報