蒲原町(読み)かんばらちよう

日本歴史地名大系 「蒲原町」の解説

蒲原町
かんばらちよう

面積:一四・六九平方キロ

静岡県の中央部に位置し、東は南流する富士川を隔てて富士市、北は富士川町、西は由比ゆい町に接し、南は駿河湾に面する。地形は北部に展開する蒲原丘陵が大きな比重をもち、東部は富士川河口の三角洲、南部は山と海に囲まれた狭隘な平野部からなっている。

遺跡は富士川河口部西側の海岸段丘上に分布する。静岡県文化財地図には一六遺跡が登録されている。旧石器時代の遺跡はいまだ確認されていないが、縄文時代遺跡は六ヵ所発見されている。寺田てらだ坂上さかのうえ桑原かばらの各遺跡からは縄文早期の土器片が発見されており、発掘調査された坂上遺跡では早期から中期までの縄文土器と石鏃・打製石斧などが検出された。また桑原遺跡では早期・中期・後期の土器類と土偶、打製石斧などが出土している。弥生時代の遺物梅原うめはら遺跡でわずかに確認されている以外知られていない。古墳時代の遺跡として古墳と遺物散布地があるが、いずれも後期のものである。古墳群としては片瀬かたせ古墳群(三基)桑原古墳群(三基)梅原古墳群(三基)が存在するが、いずれも横穴式石室をもつ小円墳群で、六―七世紀のものである。特筆すべき遺物は発見されていないが、片瀬古墳群一号墳から人骨が七―九体分出土している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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