(読み)もう

精選版 日本国語大辞典 「蒙」の意味・読み・例文・類語

もう【蒙】

[1] 〘名〙
道理にくらく愚かなこと。無知。また、ぼんやりしていること。
※愚迷発心集(1213頃)「屡曚を責れば涙を拭ふに暇あらず」 〔易経‐蒙卦〕
② 易の六十四卦の一つ。、上卦は艮(山)、下卦は坎(水・雲)。山水蒙ともいう。山の下から雲が起こってあたりを暗闇にしているさま。
[2] 〘代名〙 自称男子がへりくだって用いる。愚生
太平記(14C後)一「蒙(モウ)窃採古今之変化」 〔張衡‐西京賦〕

かがほ・る【蒙】

〘他ラ四〙 (「かがふる(被)」の変化した語) 上位の人の命令、ことばを受ける。
※大唐三蔵玄奘法師表啓平安初期点(850頃)「尋ち下詔を蒙(カがホり)て、使翻訳を賜はりてき」

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デジタル大辞泉 「蒙」の意味・読み・例文・類語

もう【蒙】[漢字項目]

人名用漢字] [音]モウ(慣) [訓]こうむる くらい
おおう。かぶさる。こうむる。「蒙塵もうじん蒙霧
くらい。物知らずで道理がわからない。「蒙昧もうまい愚蒙訓蒙啓蒙童蒙便蒙
蒙古」の略。「満蒙

もう【×蒙】

道理をわきまえず、愚かなこと。無知なこと。

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