蒔田(読み)まきた

精選版 日本国語大辞典 「蒔田」の意味・読み・例文・類語

まき‐た【蒔田】

〘名〙 苗代を作らないで、じかに田に種籾をまいて稲を作ること。また、その田。〔地方凡例録(1794)〕

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世界大百科事典(旧版)内の蒔田の言及

【田植】より

… 田植をしない稲作法もある。〈摘田(つみた)〉〈蒔田(まきた)〉などと呼ばれ,稲もみを直接本田に直まきする方法で,関東地方や南九州,三重・静岡県の一部などで行われた。種もみに肥料を混ぜて播種し,後に稲株の大きさを調整する。…

【農業】より

… 稲作にあって焼畑に相応する劣悪な耕作法は直播法である。《地方(じかた)凡例録》には撒播の蒔田(まきた)と,株播の摘田(つみた)の2種をあげるが,両者とも田植農法では成熟しがたい悪田での方法であり,〈関東筋山寄等悪地〉で行われるといっている。ここにいう山寄は必ずしも極端な山村ではなく,東海道筋の神奈川宿,保土ヶ谷宿周辺の谷戸(やと)田でも幕末期まで直播稲作が行われている。…

※「蒔田」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」