落第(読み)らくだい

精選版 日本国語大辞典 「落第」の意味・読み・例文・類語

らく‐だい【落第】

〘名〙
試験審査に合格しないこと。不合格。⇔及第
都氏文集(879頃)五・評定擬文章生詩第事「右高望等詩、或構相差、或用韻不類、落第之恨、各自取之」 〔白居易‐把酒思間事詩〕
② ある学年課程を修了できないで、原級に留めおかれること。進級できないこと。《季・春》
文明論概略(1875)〈福沢諭吉〉六「不幸にして落第すれば徒に家産を破るのみ」
一定基準に達しないため、認められないこと。不適当。不適格。
坑夫(1908)〈夏目漱石〉「然し中途で降参したら、落第(ラクダイ)するに極ってるから」

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デジタル大辞泉 「落第」の意味・読み・例文・類語

らく‐だい【落第】

[名](スル)
試験や審査に合格しないこと。不合格。「筆記試験落第する」⇔及第
学年の課程が修了できないで、卒業または進級できないこと。 春》珈琲コーヒー濃しけふ―の少女子をとめごに/波郷
必要な一定の基準に達しないため、認められないこと。「こんなことでは親として落第だ」⇔及第
[類語]不合格駄目おしまい絶望的不可失格脱落落伍陥落ドロップアウト

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「落第」の読み・字形・画数・意味

【落第】らくだい

不合格。下第。唐・朱慶余〔張景宣の下第して東帰するを送る〕詩 歸省して、の時に値(あ)ふ (しづ)かに吟ず、第の詩

字通「落」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の落第の言及

【学齢】より

…【浪本 勝年】
[学齢成熟]
 学齢に達した子どもが学校教育を受けるにふさわしい心理的・生理的な成熟をなしとげているかどうかを問題にするために,第2次大戦後,主としてドイツで用いられてきた概念。義務教育期間における落第の大きな原因が未成熟のまま就学したことにあるとする考え方と結びついてこの概念が提起された。ドイツでは,未成熟児を発見する多くのテストが開発され,学齢成熟の質的分析も進んだが,影響はむしろ就学前教育の意義の見直し,その制度や内容の改革を促す方向で作用した。…

※「落第」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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