落止・落留(読み)おちとまる

精選版 日本国語大辞典 「落止・落留」の意味・読み・例文・類語

おち‐とま・る【落止・落留】

〘自ラ四〙
① 物がそのままあとに残る。落ちてとどまる。なくならないで残る。
※後撰(951‐953頃)雑四・一二八五「かひもなき草の枕に置く露の何にきえなでおちとまりけん〈よみ人しらず〉」
② 人が居残る。生き残る。そのままとどまる。
源氏(1001‐14頃)須磨「むまやの長(をさ)に、口詩(くし)とらする人もありけるを、まして、おちとまりぬべくなん、思ひける」
③ 落ちることをやめる。
玉葉(1312)恋三・一五四三「せきやらぬ涙よしばし落ちとまれさまでは人に見えじと思ふに〈永福門院内侍〉」
戦いから逃げのびて止まる。
義経記(室町中か)五「おちとまる所は山河のたぎりて流るるなり」

おち‐とどま・る【落止・落留】

〘自ラ四〙
① そのままあとに残る。なくならないで残る。
※源氏(1001‐14頃)浮舟「おちとどまりて、人の御ためも、いとほしからん」
② 戦いから逃げて行く者が、ある場所にとどまる。戦いから逃げずに残る。
平家(13C前)一〇「君はおちとどまらせ給て」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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