落居(読み)おちいる

精選版 日本国語大辞典 「落居」の意味・読み・例文・類語

おち‐・いる ‥ゐる【落居】

〘自ワ上一〙
物事が解決したりして、気持が落ち着く。乱れた心が静まる。安心する。
※竹取(9C末‐10C初)「思ひわび侍りつる心は、けふなむおちゐぬる」
② 心や態度などが、ゆったりする。こせこせしないで穏やかにする。
源氏(1001‐14頃)若菜上「のどかにおちゐて〈略〉うしろやすきかたは並びなくものせらるる人なり」
③ 人の居所が適当な場所にきまる。また、物があるべき場所に置かれる。落ち着く。
※後撰(951‐953頃)雑二・一一七二・詞書「男につきて人の国におちゐたりけるを聞きつけて」
④ 物事が行きつくところに行きつく。騒ぎなどが静まる。事件が落着する。
愚管抄(1220)五「世は、さればいかに落居なんずるぞ」
⑤ 二つ以上の川などが合わさる。合流する。落ち合う。
うたたね(1240頃)「波あらき潮の海路、のどかなる湖のをちいたるけぢめに」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「落居」の意味・読み・例文・類語

らっ‐きょ〔ラク‐〕【落居】

《「落ち居る」を音読みにした語》物事のきまりがつくこと。落ち着くこと。
「事―してかかるはかりごとよと知りぬれば」〈花伝・七〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android