菱亜鉛鉱(読み)りょうあえんこう(英語表記)smithsonite

精選版 日本国語大辞典 「菱亜鉛鉱」の意味・読み・例文・類語

りょう‐あえんこう ‥アエンクヮウ【菱亜鉛鉱】

〘名〙 炭酸亜鉛主成分とする鉱物結晶菱面体をなし、三方晶系灰白色ないし暗灰色、半透明ガラス光沢がある。ふつう、ぶどう状・鍾乳状腎臓形の塊で産出亜鉛の原料鉱石。

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デジタル大辞泉 「菱亜鉛鉱」の意味・読み・例文・類語

りょう‐あえんこう〔‐アエンクワウ〕【×菱亜鉛鉱】

炭酸亜鉛を主成分とする鉱物。結晶は菱面体をなし、三方晶系灰白色ないし暗灰色、半透明でガラス光沢がある。ふつう、ぶどう状・鍾乳しょうにゅう状や腎臓形の塊で産出。亜鉛の原料鉱石。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「菱亜鉛鉱」の意味・わかりやすい解説

菱亜鉛鉱
りょうあえんこう
smithsonite

亜鉛の炭酸塩鉱物の一つ。日本では亜鉛鉱床酸化帯中に、おもに閃(せん)亜鉛鉱の分解物として少量を産する程度であるが、大陸地域で石灰岩苦灰岩を交代して生成されたものは、鉱層をなし、大鉱床を形成することがある。自形は菱面体、あるいはこれを基調とする立体方解石系鉱物の一員として多くの共通した性質をもつが、比重がかなり大きい。岐阜県神岡鉱山閉山)のような接触交代鉱床スカルン型鉱床)に産出例が多く、鉱脈型の亜鉛鉱床の産出例は少ない。英名はイギリスの鉱物学者スミソンJames Smithson(1765―1829)にちなむ。

[加藤 昭 2018年12月13日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「菱亜鉛鉱」の意味・わかりやすい解説

菱亜鉛鉱
りょうあえんこう
smithsonite

三方晶系の方解石族の鉱物。 ZnCO3 。灰白ないし暗灰,緑,黄,褐色で半透明,ガラス光沢を呈する。ぶどう状,鍾乳状,腎臓状の集合体をなす場合が多い。比重 4.0~4.4,硬度4~4.5。しばしば亜鉛が鉄(II)で置換されている。閃亜鉛鉱など亜鉛鉱物の酸化,または石灰質岩の変成などにより2次的に生じる。

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