菅江真澄遊覧記(読み)すがえますみゆうらんき

日本歴史地名大系 「菅江真澄遊覧記」の解説

菅江真澄遊覧記
すがえますみゆうらんき

菅江真澄

解説 三河国生れの著者が東北・北海道を筆にとどめようとして旅を重ね、観察を記述したおよそ二二〇冊に上る日記・地誌・随筆などの総称。「けふのせば布」ほかによると、天明六年の秋に弘前藩領から盛岡藩領鹿角に入り、岩手・和賀江刺の各郡を回り、一〇月には西磐井と胆沢郡の間を往復、さらに同八年に胆沢郡を出発して野辺地にまで達している。ほかに「かすむ駒形」「はしわ若葉」「雪の胆沢辺」「岩手の山」などに岩手県に関連する記述がみられる。

活字本 菅江真澄全集東洋文庫(平凡社)。なお天明六年一月から九月までの表題のない草稿(天明六年菅江真澄日記)があり、「未刊菅江真澄遊覧記」として刊行されている。

菅江真澄遊覧記
すがえますみゆうらんき

菅江真澄著

解説 三河国生れの著者が東北・北海道を筆に留めようとして旅を重ね、観察して書いたおよそ二二〇冊に上る日記・地誌・随筆などの総称。函館の氏家家に伝わるという真澄の天明六年一―九月の日記によれば、真澄は同年七―九月にかけて、気仙沼大島に一ヵ月ほど滞在したあと、石越・鹿又・石巻矢本松島・塩竈・多賀城・仙台を訪れている。この間のことを記したものに「月の松島」があるとするが未発見。「雪の松島」「花の松島」も未発見である。「けふのせば布」「かすむ駒形」「かすむこまがた続」「はしわのわかば続」「ふでのまにまに」「ひなの一ふし」「凡国奇器」に宮城県に関連する記述がみられる。

活字本 菅江真澄全集・東洋文庫(平凡社)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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