荒木田久老(読み)アラキダヒサオユ

デジタル大辞泉 「荒木田久老」の意味・読み・例文・類語

あらきだ‐ひさおゆ【荒木田久老】

[1747~1804]江戸後期国学者歌人。伊勢内宮神官。号、五十槻園いつきぞの賀茂真淵かものまぶちに学び、のち、同門本居宣長対立。著「万葉考槻の落葉」「日本紀歌解」など。

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精選版 日本国語大辞典 「荒木田久老」の意味・読み・例文・類語

あらきだ‐ひさおゆ【荒木田久老】

江戸後期の国学者、歌人。号五十槻園(いつきぞの)賀茂真淵に学び、後に同門の宣長学派に対立。「万葉集」の研究にすぐれ、著に「万葉考槻之落葉」「日本紀歌之解」など。また、歌集「五十槻園集」がある。延享三~文化元年(一七四六‐一八〇四

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改訂新版 世界大百科事典 「荒木田久老」の意味・わかりやすい解説

荒木田久老 (あらきだひさおい)
生没年:1746-1804(延享3-文化1)

江戸後期の国学者。伊勢神宮権禰宜。本姓橋村,名は正恭(まさやす),通称弥三郎。号は五十槻園(いつきのその)。賀茂真淵に従学し,伊勢では本居宣長と並称された。豪放不羈(ふき)な性格で,日々遊興を事としながら,その間も研鑽を怠らず,学者としてよく一家をなした。主著に師の《万葉考》に次いで著された《万葉考槻落葉(つきのおちば)》をはじめ,《日本紀歌之解》《竹取翁歌解》等があり,また《祝詞考》等,真淵の著作の校訂出版にも力を注いだ。久守はその子。
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朝日日本歴史人物事典 「荒木田久老」の解説

荒木田久老

没年:文化1.8.14(1804.9.17)
生年:延享3.11.21(1747.1.1)
江戸中期の国学者,歌人。本姓度会。初名正恭。主税,主殿,斎と称す。号五十槻園。荒木田久世の養子となって伊勢内宮権禰宜に補せられる。従四位下。明和2(1765)年に江戸へ下って賀茂真淵に入門,『日本書紀』の歌謡や『万葉集』の研究に導かれて業績を残す。この分野では『日本紀歌解槻乃落葉』や『万葉考槻落葉』が代表的著作である。久老は大和,河内,信濃と古代の遺跡を求めて行脚したり,京大坂の国学者と親交を結んだりと,1カ所にとどまることなく行動範囲を広げ,その性格から多くの知友・門人に恵まれたが,論証の緻密さの点で本居宣長らに一歩譲る。しかしその意欲的な著作には注目すべきものが多い。家集に『槻落葉歌集』がある。<参考文献>神宮司庁編『荒木田久老歌文集並伝記』

(久保田啓一)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「荒木田久老」の解説

荒木田久老 あらきだ-ひさおゆ

1747*-1804 江戸時代中期-後期の神職,国学者,歌人。
延享3年11月21日生まれ。橋村正身(まさのぶ)の次男。安永2年荒木田久世の養子となり,のち伊勢内宮権禰宜(ごんのねぎ)をつぐ。賀茂真淵(かもの-まぶち)の門にまなび「万葉集」の研究に業績をあげた。文化元年8月14日死去。59歳。初名は正恭,正董。通称は弥三郎,主税。別号に五十槻園(いつきのその)。著作に「信濃漫録」,家集「槻の落葉歌集」など。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「荒木田久老」の意味・わかりやすい解説

荒木田久老
あらきだひさおい

[生]延享3(1746)
[没]文化1(1804).8.14.
江戸時代後期の国学者,歌人。伊勢内宮の神官。幼名正恭,のち久老,五十槻園 (いつきのその) と号す。賀茂真淵の門に入り,国学を学び,ことに『万葉集』を研究。伊勢において本居宣長とともに古典研究家として重きをなした。著書『万葉考槻乃落葉』『日本紀歌解』,家集『五十槻園集』。

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旺文社日本史事典 三訂版 「荒木田久老」の解説

荒木田久老
あらきだひさおゆ

1746〜1804
江戸後期の歌人・国学者
伊勢(三重県)の人。賀茂真淵 (まぶち) に国学・和歌を学び,県居 (あがたい) 学派十二大家の一人。万葉派歌人として歌文集『万葉考槻 (つき) の落葉』があり,国学書としては『日本紀歌之解 (にほんぎうたのかい) 』が著名。同門の本居宣長とは別派をなして対立した。

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367日誕生日大事典 「荒木田久老」の解説

荒木田久老 (あらきだひさおゆ)

生年月日:1746年11月21日
江戸時代中期;後期の国学者;歌人;伊勢内宮権禰宜
1804年没

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