草前栽(読み)くさせんざい

世界大百科事典(旧版)内の草前栽の言及

【前栽】より

…当初は菊や萩,薄(すすき),女郎花(おみなえし)など秋の草花が好まれたが,延喜(901‐923)のころには春草,夏草も植えられるようになった。平安中期までは《宇津保物語》にみるように,前栽と植木は別個に扱われたが,のち前栽に樹木が含められるようになり,平安後期の《栄華物語》では本来のものを特に草前栽と称している。いずれにしても寝殿造など平安時代の庭園に普遍的なもので,寝殿南庭の一隅,遣水(やりみず)のほとり,野筋(のすじ)や築山の裾,枯山水様の立石に添えるなど,多くの用例がみられる。…

※「草前栽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」