茶かぶき(読み)ちゃかぶき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「茶かぶき」の意味・わかりやすい解説

茶かぶき
ちゃかぶき

千家七事式(しちじしき)の一つ。その起源闘茶(とうちゃ)であったが、精神性を高揚する草庵(そうあん)茶がおこり、闘茶の残滓(ざんし)としてのかぶき茶を千宗旦(せんそうたん)が禁止することによってとだえた。その後、七事式の制定とともにふたたび取り上げられて現在に伝えられているのである。遊び方の基本は闘茶と同様で、3種の茶を五服飲み、その味を飲み分けるものである。

[筒井紘一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の茶かぶきの言及

【かぶき】より

…なお,江戸時代には傾茶(かぶきちや)という語も広まったが,これは中世いらいの闘茶(とうちや)の伝統をうけたもので,茶の銘を隠しておき,一同が飲み終わったあとで銘をあてて勝負をきめた。茶道の七事式の一つであり,別名を茶かぶき,略して傾(かぶき)ともいう。お国歌舞伎歌舞伎【横井 清】。…

【闘茶】より

…中国宋から渡来し,鎌倉末期から室町中期にわたって爆発的な人気をよんだ茶会の形式の一つ。回茶とも貢茶とも別称されることがある。本茶〈栂尾(とがのお)茶〉と非茶〈それ以外の産地の茶〉とを飲み分け,点数をつけながら賭物(かけもの)を取り合う一種の博奕(ばくち)であるため,茶勝負とか茶湯勝負ともいわれた。そのもとは中国の宋代の茶法に発しており,水質や茶の品種が争われたりしていた。日本に伝えられてからは,はじめ〈本非茶勝負〉と呼ばれていたが,のちには〈四種十服茶〉とか〈十種茶〉とか〈十服茶〉などと呼ばれるように,三種一客という4種類の茶で10服飲んで,それを飲み当てることを基本とするようになった。…

※「茶かぶき」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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