(読み)かえ

精選版 日本国語大辞典 「茅」の意味・読み・例文・類語

かえ【茅】

〘名〙 「かや(茅)」をいう上代東国方言。
万葉(8C後)二〇・四三二一「かしこきや命(みこと)かがふり明日ゆりや加曳(カエ)が共(むた)寝む妹(いむ)無しにして」

ち【茅】

〘名〙 植物ちがや(茅)」のこと。《季・秋》
書紀(720)仁徳六二年是歳(北野本訓)「敦く茅(チ)(すすき)を敷きて」

ちい【茅】

〘名〙 植物「ちがや(茅)」の異名
※蘇悉地羯羅経寛弘五年点(1008)上「始めて牙を生ずる茅(チイ)草或は小草の花」

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デジタル大辞泉 「茅」の意味・読み・例文・類語

ぼう【茅】[漢字項目]

人名用漢字] [音]ボウバウ)(漢) [訓]かや ち ちがや
イネ科の草の名。チガヤ。「茅茨ぼうし
かやぶきの。粗末な。「茅屋茅舎茅門
難読茅萱ちがや白茅ちがや茅渟鯛ちぬだい茅花つばな茅蜩ひぐらし

かや【×茅/×萱】

屋根をふく材料とする草。イネ科のススキチガヤカヤツリグサ科スゲなどの総称 秋》「―の穂のおさなき月を眉の上/楸邨
[類語]刈萱雌刈萱

ち‐がや【×茅/××萱/白茅】

イネ科の多年草原野に群生し、高さ約60センチ。晩春、葉より先に「つばな」とよぶ円柱状の花穂をつける。根茎漢方茅根ぼうこんといい、利尿止血薬とする。しげちがや。 秋》すごすごと日の入る山の―かな/紅緑

ち【×茅】

チガヤ古名
浅茅原に足踏み心ぐみが思ふ児らが家のあたり見つ」〈・三〇五七〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

動植物名よみかた辞典 普及版 「茅」の解説

茅 (チガヤ・チ)

学名Imperata cylindrica
植物。イネ科の多年草,薬用植物

茅 (カヤ)

植物。イネ科の多年草,園芸植物。ススキの別称

茅 (カヤ)

植物。笠菅・刈萱などの総称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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