能楽師。大蔵流狂言方。江戸時代から続く京都狂言界の名家、茂山家の11世。2世千作の名で知られた10世千五郎正重(まさしげ)の長男(養子)。本名、真一(まさかず)。前名、千五郎。1966年(昭和41)隠居名を名のり3世千作となる。1976年重要無形文化財各個指定(人間国宝)の認定を受ける。1976年度芸術院賞を受賞。1979年芸術院会員。京都風の柔らかい写実的芸風で、小柄なきびきびした動きにあいきょうがあり、観客へのサービス精神の旺盛(おうせい)な芸風であった。長男4世千作(本名七五三(しめ)、12世千五郎、1919―2013)、次男2世千之丞(1923―2010)は、狂言だけでなく幅広い演劇活動を展開して、狂言の普及と地位向上に貢献した。4世千作は1989年(平成1)重要無形文化財各個指定の認定を受け、1991年芸術院会員に就任、2000年文化功労者。2007年文化勲章受章。
[小林 責 2018年5月21日]
『3世茂山千作著『狂言85年茂山千作』(1984・淡交社)』▽『4世茂山千作著『京都の狂言師』(2004・世界文化社)』
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…相弟子の義直は分家茂山忠三郎家を興し,その子良豊の義子弥五郎も別家を興し1963年能の金春流宗家より善竹の姓を贈られて善竹家となった。千五郎家では正虎の孫茂山千作(1896‐1986)が重要無形文化財保持者各個指定(人間国宝)を受け,その息12世千五郎・千之丞ら,茂山忠三郎家では良豊の孫4世忠三郎らが京都を中心に活躍し,善竹家では弥五郎の息忠一郎・玄三郎・幸四郎らが阪神を中心に,現宗家の大蔵弥太郎,善竹圭五郎らが東京を中心に活躍している。
[山本家]
豊後岡(竹田)中川藩の江戸詰藩士であった山本東次郎則正(東(あずま))が初世。…
※「茂山千作」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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