英領北アメリカ法(読み)えいりょうきたあめりかほう(英語表記)British North America Act

日本大百科全書(ニッポニカ) 「英領北アメリカ法」の意味・わかりやすい解説

英領北アメリカ法
えいりょうきたあめりかほう
British North America Act

カナダ憲法の一つ。1867年7月1日に発効したことにより、カナダ自治領はイギリスからの「独立」を達成した。全文147条からなり、第22条の上院の構成(地域代表制をとる)、第91条から第95条の立法権配分連邦議会と州議会の権能を分け、かつここに保留されている権限は連邦議会に与える、あるいは教育は州の権限に属するとする)などの条項は、カナダ的連邦主義の具体化として特徴づけられるものである。この法がイギリス議会立法であること、基本的人権への言及がないこと、および立法権の配分が時代錯誤であるといったことから、その全面的改訂がカナダの一大問題となっていたが、ケベックを除く9州と連邦政府は英領北アメリカ法の改正に一致をみて、1982年4月「1982年憲法」が公布された。

[大原祐子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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