若王子神社(読み)ニャクオウジジンジャ

デジタル大辞泉 「若王子神社」の意味・読み・例文・類語

にゃくおうじ‐じんじゃ〔ニヤクワウジ‐〕【若王子神社】

京都市左京区にある神社祭神伊弉諾尊いざなぎのみこと熊野王子信仰に伴い、後白河法皇勧請によるという。

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日本歴史地名大系 「若王子神社」の解説

若王子神社
にやくおうじじんじや

[現在地名]左京区若王子町

大文字だいもんじ山西麓、禅林ぜんりん(永観堂)の北に鎮座社殿は永暦元年(一一六〇)六月の創建とし、後白河上皇が熊野那智権現をこの地に勧請したのが始まりという。社名は祭神の天照あまてらす大神の別号「若一王子」にちなむ。禅林寺鎮守社ともいわれ(元亨釈書)、正式には熊野若王子神社と号する。禅林寺新熊野社ともよばれ、神仏混合の信仰のために「若王寺」とも記された。「山槐記」治承二年(一一七八)一一月一二日条に、中宮徳子の安産祈願をした神社四一ヵ所のうちの一つとして「白川熊野」とあるのが当社かと思われる。

若王子神社
にやくおうじじんじや

[現在地名]北区山田町福地

志染しじみ川北岸、福地ふくち集落北方の小高い丘に鎮座。祭神は伊弉冊尊。旧村社。勧請年等不詳だが、永仁五年(一二九七)一一月一〇日の本殿上棟棟札が残り、大願主の橘長綱は弘安六年(一二八三)頃に現山田町中やまだちようなかの八幡神社神主職にあった(同年九月日「山田庄若宮神主職補任状」林文書)。応永一五年(一四〇八)二月日付の棟札に記された若王子縁起には、本地である「娑婆世界教主施無畏者之如来」が、衆生を救済するため現れたのが若王子神とみえ、棟札銘から、永仁の社殿の柱根が朽ち梁棟が傾いたため、沙弥聖岫・橘光綱はじめ村人道阿弥陀仏・彦三郎大夫らが願主となって再建したことがわかる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「若王子神社」の意味・わかりやすい解説

若王子神社
にゃくおうじじんじゃ

京都市左京区東山に鎮座する。「にゃこうじ神社」ともいう。後白河天皇により熊野若一王子を勧請して建立された。祭神はイザナギノミコト。例祭7月 10日。

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世界大百科事典(旧版)内の若王子神社の言及

【若王子】より

…若王子は京都の白川の禅林寺の北に同じころ勧請され,〈白川熊野〉ともよばれたが,鎌倉・室町幕府からは所領を寄進され,京都郊外の花の名所でもあったし,全国の具足屋(甲冑の職人,商人)の信仰を集め,若王寺とも記された。現在京都市左京区若王子町の若王子神社がそれであるが,同名の神社は熊野権現を勧請したことにより,全国各地に存在する。王子信仰熊野信仰【萩原 竜夫】。…

※「若王子神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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