若水汲み(読み)わかみずくみ

世界大百科事典(旧版)内の若水汲みの言及

【女人禁制】より

…しかし,たとえば宮座が中世以降に成立し,それが地域社会全体の組織や観念が反映されているところをみれば,神事における女人禁制の習俗も男性優位の社会組織・観念が反映されたものと理解することができ,それは出産,月経に伴う血の穢の不浄観が強まることによって一般化したといえる。沖縄の神祭のほか,西日本の沿岸部では女性が正月の若水汲み(わかみずくみ)(若水)をする習俗が認められる。こうした例は,女性不浄観や神祭への女性禁止が本来的なものではなく,社会全体のなかにおける女性の立場と深く関係していることを物語っている。…

【若水】より

…元日の行事の使い水で,口をすすいで身を清めたり,神への供物や家族の食物の煮たきに用いたりする。若水汲みは〈若水迎え〉ともいわれ,儀礼的な色彩が濃く,若水手拭で鉢巻したり,井戸に餅や洗米を供え,祝いの唱え言をしてくむ土地が多かった。鹿児島県奄美群島には,若水といっしょに小石を3個取ってきて,火の神に供えた村もある。…

※「若水汲み」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」