花車形・花車方（読み）かしゃがた

精選版 日本国語大辞典

かしゃ‐がた クヮシャ‥【花車形・花車方】

〘名〙 歌舞伎で、老女、または年増(としま)に扮する女形。老女方(ふけおやま)。花車役。花車。

※評判記・役者評判蚰蜒（1674）熊本文右衛門「当時くゎしゃがたのひでりにて、外に類なくくらべてみへき芸者もなしとかや」

[語誌]「花車」は、本来は茶屋や揚屋の女房の意で、若衆歌舞伎の「かか方」から生じた。はじめ女房役が多かったが、後にはお家乗っ取りを謀る継母や後室などの老女役、さらに、善良な中年以上の女性役をも含むようになった。

きゃしゃ‐がた【花車形・花車方】

〘名〙

① ＝かしゃがた（花車形）

② 体つきがきゃしゃなこと。

※青春（1905‐06）〈小栗風葉〉春「肉付も余り豊かで無く、悪くすると骨細な華奢形(キャシャガタ)に見られさうな格服であるが」

出典　精選版 日本国語大辞典