花虫類(読み)はなむしるい(英語表記)Anthozoa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「花虫類」の意味・わかりやすい解説

花虫類
はなむしるい
Anthozoa

刺胞動物花虫綱に属する種類の総称。現生種は八放サンゴ亜綱と六放サンゴ亜綱に大別される。ポリプ型(→ポリプ)のみで,生活史のなかでクラゲ型(→クラゲ)の時期がない。ポリプは円筒形で,上端にある口盤は触手冠(→触手)で囲まれている。外部形態は放射相称であるが,内部は左右相称形である(→相称)。石灰質角質の外骨格または内骨格をもつものも多い。すべて海産。単体または群体で生活し,多くは他物に着生している。スナギンチャクハナギンチャクなど世界で約 6000種(うち日本産は約 1500種)が知られている。(→刺胞動物無脊椎動物

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精選版 日本国語大辞典 「花虫類」の意味・読み・例文・類語

かちゅう‐るい クヮチュウ‥【花虫類】

〘名〙 刺胞動物の一綱。イソギンチャクイシサンゴウミトサカウミエラなどの仲間を含み、ポリプ型だけでクラゲ型はない。大部分は固着性で、単体、あるいは群体をつくる。はなむしるい。

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デジタル大辞泉 「花虫類」の意味・読み・例文・類語

かちゅう‐るい〔クワチユウ‐〕【花虫類】

花虫綱に属する腔腸動物の総称。群体または単体で、石灰質または角質の骨格をもつものが多い。六放サンゴ八放サンゴなどに大別される。珊瑚虫さんごちゅう類。はなむしるい。

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世界大百科事典 第2版 「花虫類」の意味・わかりやすい解説

かちゅうるい【花虫類】

腔腸動物(刺胞動物)門花虫綱Anthozoaに属するグループ。〈はなむしるい〉とも呼ぶ。生活史の中でポリプ型の体制だけをもちクラゲ型は出現しない。ポリプには単体のものと無性的にポリプが増えて群体をつくるものがある。体は口盤,体壁,足盤の三部からなる。口盤の周囲に触手が並び,中央に卵形や裂状の口が開いている。触手の形には単一管状のものと羽状のものとがある。ポリプの胃腔内は8枚または6の倍数隔膜で仕切られ,放射状に室が並んでいる。

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