花摘(読み)はなつみ

精選版 日本国語大辞典 「花摘」の意味・読み・例文・類語

はな‐つみ【花摘】

[1] 〘名〙
山野草花などを摘みとること。また、その人。
古今(905‐914)春下・一三二・詞書「やよひのつごもりの日、花つみより帰りける女どもを見てよめる」
② 昔、四月八日、比叡山戒壇堂の仏生会(ぶっしょうえ)に、この日を限って女人登山を許し、坂本の花摘の社に参詣させた行事。東寺でも、花堂を造り、釈迦像を安置して同様の行事を行なった。〔日次紀事(1685)〕
[2] 俳諧日記。二冊。其角著。元祿三年(一六九〇)成立・刊。元祿三年四月八日の仏生会が亡母の四回忌で、墓前に花を摘み、一句を手向け、宗祇の日次(ひなみ)発句にならって追福の一夏(いちげ)百句を供養しようと思いついて、よみ続けた句日記に芭蕉や交友らの発句・歌仙俳文などを添えたもの。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android