日本大百科全書(ニッポニカ) 「花山信勝」の意味・わかりやすい解説
花山信勝
はなやましんしょう
(1898―1995)
仏教学者、浄土真宗の僧。日本仏教とくに聖徳太子研究で著名。第二次世界大戦戦犯教誨師(きょうかいし)。金沢に生まれる。東京帝国大学文学部卒業、同大学院修了後、英・独・仏に留学。1959年(昭和34)東大を定年退官。聖徳太子奉賛(ほうさん)会の研究報告『聖徳太子御製 法華義疏(ほっけぎしょ)の研究』により1935年(昭和10)学士院恩賜賞受賞。1946年より3年半巣鴨(すがも)プリズン教誨師を務め、東条英機(とうじょうひでき)らA級7戦犯、B・C級戦犯の教誨にあたり、処刑に立ち会い、その記録『平和の発見』(1949)を刊行した。1959年より約10年、北米仏教団総長、加奈陀(カナダ)仏教団総長、北米仏教研究所長を務めた。著書に『勝鬘経義疏(しょうまんぎょうぎしょ)の上宮王撰(せん)に関する研究』、『三経義疏』や『往生要集』の校訳、その他がある。東大名誉教授、文学博士。
[田村晃祐 2017年9月19日]