花光寺山古墳(読み)けこうじやまこふん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「花光寺山古墳」の意味・わかりやすい解説

花光寺山古墳
けこうじやまこふん

岡山県瀬戸内市長船(おさふね)町服部(はっとり)にある前方後円墳。全長110メートル、後円部径67メートル、前方部幅54メートルで埴輪(はにわ)がある。後円部頂に祖形的な長持(ながもち)形石棺があり、その両小口に板石による小室が付属する。北側小室から鏡2面(長宜子孫内行花文鏡(ちょうぎしそんないこうかもんきょう)、仿製三角縁(ぼうせいさんかくぶち)神獣鏡)、柳葉式銅鏃(どうぞく)、鉄鏃刀剣、矛、刀子(とうす)、斧(おの)、鉇(やりがんな)などが出土した。石棺内の装身具などや南小室は未調査。4世紀後半の首長墳である。

[今井 尭]

『梅原末治「備前行幸村花光寺山古墳」(『日本古文化研究報告』4、9所収・1937、56・日本古文化研究所)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「花光寺山古墳」の解説

花光寺山古墳
けこうじやまこふん

[現在地名]長船町服部

独立した小丘陵の南方に延びた尾根上に、南向きに築造された前方後円墳で、古墳時代前期の古墳として知られる。県指定史跡。地元の人たちの手で発掘され、多数の遺物が発見された。古墳の形態は、自然地形を利用して形成され、大きな後円部に対して前方部の墳丘はあまり明瞭でない。後円部は径約五〇メートルを測り、全長九〇メートル内外と推定される。墳丘には円礫の葺石を施し、円筒埴輪列をめぐらしている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android